令和7年12月13日(土)先負

市議会12月定例会
一般質問2日目まとめ

 府中市議会12月定例会の一般質問1日目、2日目に登壇した公明党、経政会、COMMONS未来の4議員の質問内容をまとめた。
 

田邊稔議員・経政会


Q. 湯が丘病院の建替えに関して10月にコンサルタントからの報告が上がってきた。湯が丘病院は収益が大幅に減少しており、従来のビジネスモデルが限界にきているのでは。また人件費が高く、人件費構造も懸念される。市からの繰り出し金も令和4年に比べて倍になっている。


A. 
湯が丘病院は入院収益が9割を占めている。入院の減少の原因は周辺人口の減少、施設老朽化、投薬管理の発展などがあげられる。人件費については、人事院勧告や湯が丘病院職員の平均年齢が高いこと、また公立の精神科病院全体が給与費対医療費率が100を超えているという現状がある。職員の適正配置や経営改善を図っていく。認知症病棟の導入もコンサルタントからの報告書で触れられているが、慎重に検討したい。
 建替えについては約60億円を見込む。病院事業債などを活用し、30年償還なら年額9100万円の返済となる。

岩室雄太議員・COMMOS未来


Q.
 今回の恋しきの一件に関して、人材配置、任命が発生原因の1つと考えるが、そもそも件の部長の選任理由は?
 10年後に予想される市の課題、大型事業などの見通しは?10年後の府中市の見通し、どのような街になっているか、どの課題に優先的に取り組んでいくのか?


A. 
「食の推進を図る」という政策を進めるにおいて、宮本前部長の知見やコネクションを加味して円滑に遂行してもらえると判断した。基本的に人材配置については、人となりなども加味して毎年度選考させていただいている。
 現時点で予想されているのは、浄水場の統合事業、環境センター解体事業、市営住宅建設事業、給食センターの大型厨房機器の更新、児童生徒用端末更新などを見込んでいる。
 「幸せを実感できるまち」を目指し、大きな課題である人口減対策に様々な面から取り組んでいく。産業界では人材不足も予想され、支援などに取り組んでいきたい。

大本千香子議員・公明党


Q.
 手話言語条例の制定についての進捗は?災害時などに避難所での聴覚障がい者への災害対応 の状況は?


A.
 災害時への対応についてはボランティア団体と検討を進めており、避難所にメッセージボードを設置するとか、避難時要支援者に対する説明会を手話を交えて行うなどの取組を考えている。
 市役所職員への手話研修や、字幕表示などで障がいへの理解を促進していく。条例制定についても具体的に検討する。

藤本秀範議員・経政会

Q. 鴫谷橋の撤去が進んでいないのはなぜか?中須大橋までの軽車両や歩行者通行の整備状況は?暫定的な対応として復旧はできないか?

A.
 鴫谷橋は地域住民との合意ができておらず、撤去に至っていない。カーブ改善など中須大橋までの整備設計を現在行っている。鴫谷橋の現況復旧は治水の観点から難しいと判断している。
 住民の声が届いていることも事実で、関係機関とも協議していく。


市長1月給与半減

 府中市は、9月議会で令和6年度決算が不認定となったことを受けて、管理監督責任をとって小野申人市長の令和8年1月の給与を半減させる。約43万円減額となる。

 給与半減の条例改正案は議会最終日の16日に上程され、即日採決される予定。
     

記者の目

 小野市長は恋しきに関わる一連の不適切事務処理に対しての責任について、「中間報告では何かしらの責任のとり方を明らかにする」としていた。

 12月議会の一般質問1日目に議員から進退、次の選挙への出馬の意向を問われた際も、「目の前の騒動の原因究明、調査に全力を尽くす。その後のことはまだ検討していない」と言及しなかった。

 しかしそのやり取りから1週間を待たずして、11日に給与半減案が追加議案として現れた。中間報告は22日に予定しており、当初の発言との相違、一般質問での答弁とも齟齬が発生する形となった。内容についても1か月間に絞った減額で、折角の断腸の思いに「とりあえず感」が漂ってしまった印象だ。


6年ぶり開催
府中市美展復活

 コロナ禍で5年間休止されていた府中市美術展が今年から復活し、12日から開幕した。16日(火)までジーベックホール1階と2階で展示されている。時間は10時~18時(最終日は17時まで)。
 今年の一般の応募総数は、審査日本画5点、洋画11点、工芸13点、漢字3点、仮名19点、前衛17点、写真11点の合計79点。そこに招待作家を合わせた133点が会場のジーベックホールに並んでいる。

  ◇・◇・◇



 日本画で大賞を受容したのは、本山町の川﨑信子さん(86歳)。府中書芸連盟にも所属しており、書も絵も嗜んでいる。日本画を始めたのは25年ほど前で、仕事を辞めて母親の介護をしながら、亀山秀景さんに習った。その後は福山の教室でも習い、趣味の1つとして日本画を楽しんでいる。

 今回は「アオギリを忘れないで」というタイトルで、川﨑さんの娘が書いた本「被爆樹巡礼」という本の中から、原爆の影響で木に大きなコブができたアオギリの写真を見つけ、題材に選んだ。

 「戦争でつらい思いをした人がたくさんいたことを忘れないでほしい。そして次の世代の子どもたちが平和な世の中で暮らせるようにと祈りを込めた」と川﨑さん。大賞は今回が初めてだが、「趣味を楽しみ、自然と暮らし、近所の人とも楽しくお付き合いさせてもらって幸せ。今回の大賞はご褒美のような感じ」と話しつつ、「これからも続けられるだけ続けていきたい」と笑顔を見せた。

 ◇・◇・◇



 仮名で大賞を受賞したのは、高木町の栗本りえさん(60歳)。周囲に誘われて何の気なく書道を始めて、早25年以上。過去には大賞受賞経験もあり、久々の市美展開催に花を添えようと出品した。

 題材は万葉集の有馬皇子の歌と柿本朝臣人麻呂の歌を2編繋げて書いた。初めて書を教わった先生のお手本の中からたまたま選んだ題材だったが、手本はより大きな作品だったため、試行錯誤しながら今回の市美展サイズにあわせて書き直した。あまりの難しさに出品までは浮き沈みすることも多かったが、書友たちが電話や直接家に来て「一緒に市美展に出そうや」「元気出して書いてみ」と励ましをくれ、作品を完成させた。

 「書いている時は先生にたくさん朱を入れられていたから、大賞と聞いて、今年一番の驚きだった。今回は書友のみんなとの絆を感じられる機会になって、本当に恵まれていると感じた。今後もマイペースに続けていきたい」と話していた。

  ◇・◇・◇



 洋画部門で大賞になったのは、土井知敏さん(75歳・篠根町)の30号の水彩画作品「三景園の錦鯉」。

 退職後10年前に趣味で色鉛筆画を始めた土井さんは、平成30年に初出品で奨励賞、翌令和元年に優秀賞を受け、その後コロナ禍で中断。会場の耐震工事も終え今回6年ぶりの再開を夏頃知って、「いつかは大賞を」という想いもあったので応募することにしたが、しかし緻密な作風のため制作時間のかかる色鉛筆では締切に間に合わない。ちょうど2年前から市内の水彩画グループ展に友情出品していた縁もあり、今回は水彩画とした。

 描いたのは色鉛筆画教室のスケッチ旅行で訪れた時の風景で、「数えたら40匹余りいたが、1匹ずつその動きと表情を出すように気をつけた。色鉛筆に比べ絵筆で広いところをたぁーっと塗るのは速くてよいけれど、自分じゃ雑にもちょっと思えて、賞は期待してなかったから驚いた。でも念願だったので嬉しい」と喜んでいる。

 市美展入賞者一覧
【日本画】大賞・川﨑信子(本山町)/優秀賞・船山幸子(鵜飼町)/奨励賞・橘髙ツタ子(本山町)
【洋画】大賞・土井知敏(篠根町)/優秀賞・片山充孝(中須町)/奨励賞・片山明彦(栗柄町)、梅木明広(府中町)
【工芸】大賞・杉岡千恵子(新市町)/優秀賞・山岡昭子(中須町)/奨励賞・小林一(中須町)、後藤光子(新市町)、佐野知子(中須町)
【漢字】大賞・該当なし/優秀賞・中居和子(父石町)/奨励賞・皿田美弥子(鵜飼町)
【仮名】大賞・栗本りえ(高木町)/優秀賞・石岡君恵(僧殿町)/奨励賞・真田千恵子(鵜飼町)、松岡成美(府中町)、田村逸美(府中町)、藤原さよ子(広谷町)
【前衛】大賞・藤井早苗(福山市西深津町)/優秀賞・石岡祐子(本山町)/奨励賞・日野和恵(新市町)、髙田みゆき(中須町)、佐藤恵美子(中須町)
【写真】大賞・該当なし/優秀賞・岩田武(尾道市御調町)/奨励賞・村上國夫(出口町)、長谷川早苗(高木町)《敬称略》


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